はじめに

痛みの緩和で、低周波治療器を検討されたり勧められた事があるのでしょうか、低周波治療器は非常に有効な治療法であり、多くの人が様々な痛みを緩和するために使用しています。低周波治療器を初めて使用する場合、それが何であるかを知る事で最良の治療効果を得る事ができます。この使用説明では低周波治療器が何であるか、そしてどのように最適治療条件を見つけるかを含め解説します。

低周波治療器とは何ですか?

低周波治療器は、急性および慢性の痛みを和らげ、痛みの管理に役立つ小型の電池式機器です。低周波治療の最も一般的な形態では通常、痛みのある領域近くの皮膚に貼られた電極と呼ばれる粘着パッドがリード線で治療器に接続され、身体の患部に周波数と強度を調整で穏やかな電気刺激を送り、体内の痛みの信号を鈍化します。低周波治療器の周波数帯は1~999Hzまでありますが、主に使用される範囲 は1~200Hzの範囲です。200Hz以上では殆ど体感的にも作用的にも変化がないからです。

「導子」と電流波形 

生体に直接付ける電極のことを「導子」と呼びます。導子には様々な大きさ、材質、タイプなどがあります。治療するためには1つの部位に対して2極 必要となります。現在では殆どの治療器はゲル電極にて交流で通電しているため、導子の 極性の大半がプラス・マイナスの区別がありません。 電流波形はパルス波と呼ばれるパルス幅の短いものを使用します。これは痛みを抑制させる太い神経線維によく作用するからです。一方、筋刺激を目的 とする場合は、筋の収縮を起こさせる運動神経に作用させるため、逆にパルス幅の広いものを使用します。 

経皮的電気神経刺激(TENS)と電気的筋肉刺激(EMS)

経皮的電気神経刺激(TENS)治療器と電気的筋肉刺激(EMS)治療器の両者は非常によく似ており、どちらも電極を通して軽い電気ショックを与える機器ですが、それぞれ使用目的が異なります。経皮的電気神経刺激(TENS)治療器が神経を刺激するのに対して、電気的筋肉刺激(EMS)治療器は筋肉を刺激して収縮させる装置です。筋肉を刺激することで、筋肉を鍛えたり、緊張をほぐしたりをすることができます。トレーニングの一環として筋肉をつけたい方には、電気的筋肉刺激(EMS)治療器がおすすめです。急性または慢性の痛みを和らげることが主な目的であれば、経皮的電気神経刺激(TENS)治療器を使用します。両方を搭載した複合機もありますが、高価な場合が多いです。両方の効果を期待するのであれば、投資する価値はあると思います。

経皮的電気神経刺激(TENS)治療での痛みに作用する適正周波数を設定する

経皮的電気神経刺激(TENS)治療器での周波数(パルスレート)は、1秒間に何回刺激させるかで決まり、単位はHz(ヘルツ)です。急性期の痛みには80Hz~120Hz、慢性的な痛みには2Hz~10Hz、筋肉への刺激には35Hz~50Hzの周波数が推奨されています。設定する周波数の値によっても痛みに対する作用が異なります。一般的に高 い周波数(50Hz以上)は、痛みに対して即効性がありますが、通電を停止 すると比較的短時間で痛みが元に戻ります。逆に低い周波数(1~5Hz) は、即効性はありませんが徐々に痛みが軽減され、通電を停止しても痛みは すぐに戻らず、持続効果があります。 治療器には、これらの周波数の特性を活かすため、高・低の周波数を交互に 流す方法が取られ、即効性と持続性の2つを効果的に引き出すようにプログ ラムが作られています。治療時間は、痛みの程度、個人差で異なりますが、 おおよそ20分間位を目安に設定します。 

利点

TENS療法 は、標的部位の周囲の神経に痛みを感じない感覚を伝え、脳に送られる痛みの信号を減らすこと、天然の鎮痛剤として作用するエンドルフィンの放出を身体に引き起こすと考えられています。そのため、薬剤の処方と違い副作用を気にする事なく使用できます。

適用

TENS療法は、次のようなさまざまな症状による慢性 (長期) および急性 (短期) の痛みや筋肉のけいれんを軽減するために使用できます。

  • 関節炎
  • 線維筋痛症
  • 膝の痛み
  • 背中の痛み
  • 首の痛み
  • 糖尿病性神経障害
  • 生理や子宮内膜症による骨盤痛

予防

ほとんどの人は、 TENS 治療器を安全に使用できますが、それがあなたの症状に推奨されているか、また最大限の効果を得るために電極を正しく配置しているか、などを医療提供者に確認してください。妊娠している場合、またはてんかん、感覚障害、心臓の問題、ペースメーカー、または体内に他の電気または金属のインプラントがある、特に粘着パッドにアレルギーがある場合、皮膚炎が起こる可能性が若干あります。

TENS 電極は、次のような身体の特定の領域には配置しないでください。

  • 口とか目とか
  • 胸と背中上部を同時に
  • 傷ついた皮膚
  • 腫瘍
  • しびれのある領域

効果

研究者は、TENS療法が痛みを軽減するのにどの程度効果的かをまだ判断しています。2013年の研究では、TENS療法が線維筋痛症患者の痛みを軽減するのに効果的であることがわかりました。2012年、ある研究では、TENS療法でがん患者の骨痛を改善する可能性があると示唆されましたが、無作為化臨床試験の数が限られていたため、結果は決定的ではありませんでした。研究によると、いくつかの要因が有効性に影響を与える可能性があることが示唆されています。TENS療法の刺激量 (強度と頻度) を耐性が生じない、快適な範囲で使用することで、効果が高まる可能性があります。さらに、経穴のある領域に電極を使用すると痛みの軽減に役立つ場合があります。

さらなる研究が待たれていますが、TENS療法は非侵襲的であり、場合によっては副作用を引き起こす薬物治療を必要としないため、多くの症状に対して安全な鎮痛選択肢であると考えられています。

参照:https://www-verywellhealth-com.translate.goog/what-is-tens-and-how-does-it-work-2564548?

経皮的電気神経刺激治療器『 イトー ESPURGE(エスパージ) 』 の使用につて

使用方法

1 パットを患部に張ってから、出力を上げてください。

 (張る前に出力するとエラーになりま す) 

2 強さの目安(出力) 

*TENS(痛みの軽減目的)→心地よいレベルにする。(強すぎる刺激は逆効果) 

*EMS(筋力トレーニング)→可能な範囲でなるべく強くする。 

*MCR(損傷組織修復)→Prog,1,3,4,5は50μAにする。Prog,2は500μAで使用する。 100μAにする。(生体内に流れる電気と同じ、感じるか感じないレベルの 電気です。) 

3 禁忌・禁止

妊産婦・伝染性疾患患者・出血素因の高い患者・血友病患者・悪性腫瘍患者・知覚障害患者・ 心臓障害患者・医師が不適当と判断した患者 ・ペースメーカー装着者・出血部位・裂傷、擦り傷、刺し傷の部位 ・頚部、顔面、頭部など首から上の使用は慎重に行う。