概念・原因および症状

足関節捻挫というのは主に足関節部靭帯損傷を指し、足関節に生理的な稼働範囲を越えるような外力の負荷(外反・内反)が加わることにより生じる関節軟部組織の損傷のことである。例えば平坦でない道路の窪みに足をとられたり、階段の踏み外し、高所からの飛び降り、スポーツ(ジャンプ動作の多い競技)などによって引き起こされることが多い、その中で過度の底屈、内反によって足関節部外惻即副靭帯の損傷がよく見られ、外反による内側靭帯の損傷は少ない、背屈が強制されると遠位脛腓靭帯の損傷が起こり、遠位脛腓靭帯部の疼痛、腫れが出現する。

捻挫した局所には腫れや疼痛が現れ、内反、外反、背屈、などの運動が制限され、歩行が困難になる。受傷してから2~3日後、局所に内出血が出現する。外側外副靭帯損傷時には外果前下方に腫脹、疼痛が現れ、内反時には頭痛が激しくなる、内側靭帯損傷時には内果前下方に腫脹、頭痛が現れ、外反時には頭痛が激しくなる、靭帯断裂があれば内反、外反、運動範囲も可動域を超え、関節内血腫が見られる。

TENS療法の実際

治療例

動物実験では、2Hzと10Hzを用いて刺激すると、両方ともに鎮痛効果が得られた、2Hzの刺激が浮腫軽減に対してより効果的である。

期待される効果

足関節周囲の筋群の血液循環の改善や、筋緊張緩和による腫れの除去や痛みの軽減

刺激周波数・強度

2Hz 感覚閾値よりやや強めで行う。

刺激時間

10~30分(患者の体質により加減する)、治療は隔日1回 10回を1クールとし、各クールの間に適当な休みをとる。

電極配置 足関節の外側と内側(第一背側骨関節、後脛骨腱・長指屈筋腱、下伸筋支帯、短腓骨筋上など)の圧痛部位に表面電極を取り付けて通電する。実際のTENS治療の電極配置の1例を図に示す。

❶ 外果上方約9cmの短腓骨筋上(浅腓骨神経、外側腓腹皮神経)❷ 内果直下の後脛骨筋腱、長指屈堀腱上(脛骨神経、伏神経)
① 外果前下方陥凹部の下伸筋支帯上(浅腓骨神経)② 足背の第1・第2中足骨底間陥凹部の第1背側骨筋上(外側足底神経・深腓骨神経)

コメント

捻挫をしてから24時間以内には冷湿布やアイシング(約20分)を行う、24時間を経過してからは、温湿布を使っても良い、適当な休みをとり、休み中には出来れば足を高くあげる。靭帯断裂があれば、整形外科を受診んする。