概念・原因および症状
めまいの分類は前庭系によるものと非前庭系によるものがある。前者はさらに未悄前庭系と中枢前庭系に分かれる。未悄前庭系のめまいは内耳炎、前庭神経炎、内耳動脈閉塞、突発性難聴、メニエール、良性発作性頭位めまいなどによるものが考えられる。中枢前庭系のめまいは頭蓋底髄膜炎、脳幹梗塞、椎骨脳低動脈血流不全、種々の脳腫瘍などによるものがある。非前庭系のめまいは循環器疾患、頸椎症、心因性、自律神経障害、糖尿病、代謝異常によるものがある。病因によって治療方法が異なるので、詳細な検査を受ける必要がる。
症状:未悄前庭系のめまいは天井や自分がくるくる回る回転性めまい(vertigo)であり、耳鳴、難聴、耳閉感の随伴症状が見られる。中枢前庭系のめまいは、頭がふらふらする。乗船して揺られているような動揺性めまい(dizziness)であり、複視、口、顔面、舌のしびれ、嚥下障害、口音障害などの随伴症状が見られる。非前庭系のめまいは、気が遠くなる、目の前が暗くなる失神性のめまい(syncope)であり、動悸、胸部症状が見られる。
TENS療法の実際:めまい治療にTENSを用いると有効である。・筋緊張の緩和、筋血液循環による症状の改善。
電極配置
① 両側乳様突起(陰極)、後頭部(無毛部1ケ所 陰極)② 手背部の第1指。第2指と手拳 ③ 胸鎖乳突筋、増帽筋、菱形筋、頭板状筋上、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、広背筋、ヒラメ筋、長指伸筋、短腓骨筋、前脛骨筋、第1背側骨間筋、のトリガーポイントや圧痛点の中から、数カ所を選択して通電する。③の電極配置部位は毎回同じ部位ではなく、1回の治療ごとに部位を変えて行う。実際TENS治療の電極配置の一例をずに示す。


刺激周波数・強度
①5Hz電流幅50msec・刺激強度は0.5~4mA
②-1:2Hz(3秒)/100Hz(3秒)の交互刺激・刺激強度4~5mA
②-2:2Hz(3秒)/100Hz(3秒)の交互刺激・刺激強度9~12mA
③5Hz以下、刺激強度は運動閾値よりやや高め、術後のめまい嘔吐に対して、③の効果(65%)は②の効果(34%)より優れている。また、①の方も効果的である。前庭系に由良するするめまいは③の刺激周波数・強度で行う。
刺激時間
①の場合、約6時間ごとに30分・②の場合、2時間ごとに30分、いずれも術後のめまいや嘔吐に対する治療なので、一般のめまい(前庭系に由来するもの)の治療時間は、20~30分(患者の体質により加減する)1日1回で行う。10回を1クールとし、各クール間に適当な休みをとる。
❶ ❷:左右乳様突起と項窩間中央の頭板状筋上(脊髄神経後枝、頚神経後枝)
① ②:第7・8胸椎棘突起間両側各々約4cmの増帽筋(副神経、頚神経叢筋枝、胸神経後枝)
❸:手根関節横紋中央の直上約6cmの浅指屈筋・橈側手根屈筋上(正中神経・内側前腕皮神経)
③:第1と、第2の中手骨側骨間筋上(尺骨神経、橈骨神経浅枝)
❹:脛骨粗面の下縁外方の前脛骨筋上(深腓骨神経・外側腓腹皮神経)
④:足背の第1・第2中足骨底間陥凹部の第1背側筋上(外側足底神経・深腓骨神経)
コメント
めまいを引き起こす原因は様々であり、まず現代医学の検査受けて、病因を調べてから電気治療を始める。